金木犀でチンキや浸出油を作って、一年中金木犀の香りを楽しもう!
「秋が来た~!」と感じる金木犀(きんもくせい)の香り。
窓を開けっ放しにしていると、金木犀の香りがどこからともなくふわっと漂ってきて、幸せな気分に満たされます。
金木犀の香りを楽しめる期間は、短くて寂しいですよね。
でも、金木犀の花で「チンキ」や「浸出油(インフューズドオイル)」を作ると、一年中、金木犀の香りを楽しめるってご存知ですか?
目次
作り方のステップは3つ!
①花を摘む
②瓶に花とアルコールまたは植物油を入れる
③一日一回瓶を振る
とっても簡単に作れるので、金木犀の香りが好きな方は、一度作ってみてくださいね。
今回は、ポイントを交えながら、金木犀の花を使った「チンキ」と「浸出油」の作り方をお伝えしますね。
金木犀の花を摘んで下準備をする
早速花を摘んで、下準備です!
下準備をしっかりすると、チンキや浸出油が上手に仕上がり、香りも長持ちします。
花摘みは時間がかかりますが、香りを楽しみながら丁寧に準備してくださいね。
下準備方法
- 五分~八分咲きの花を摘む
摘む量はお好み、または、漬け瓶に合わせた必要量になります。
あまり細かく考えないで大丈夫です。 - 好みの量を収穫したら、終わった花や葉、枝など不要なものを取り除く。
できるだけ不要なものは取り除きましょう。
葉や枝などが入っていると、それらの成分も抽出され香りが混ざってしまいます。 - 軽く水で洗い、ペーパータオルなどでよく水気をふき取る。
一般的には、この段階で水洗いすると良いと言われています。しかし私は、枝に花が付いている状態で水洗いしてしまいます。
枝から摘んでしまうと、花の成分が飛びやすいし、しおれてしまうからです。洗わないで作ってみたこともあります!
みなさんも色々試して、自分の作りやすい方法を見つけてくださいね。
下準備のポイント
花の摘み時は、金木犀の香りが強い「五分~八分咲き」の頃。
花を軽く触って、ぽろぽろっと落ち始める頃が、摘みやすくおすすめです。
落ちた花ではなく、枝に付いている花を摘んでくださいね。
見た目は満開の時が可愛いのですが、満開に近づくにつれて、香りが弱くなっていきます。
アルコールやオイルに金木犀の香りをうつしたいので、できるだけ早めに摘むと良いですよ。
注意点
金木犀は塊(? とびとび?)で咲いていますが、塊のどこかに「茶色い粉」みたいなものが見えたら、そこは飛ばしてください。
茶色い粉は青虫の糞や食べかすです。
しかも、ほとんどの場合、その場所に小さな青虫が潜んでいます。
私、青虫見つけるの得意なんですよね~。特技と言ってもいいかもしれません(;^_^A
花摘み中、「これ大丈夫かな?」「このくらいいいかな?」と思うものは、大体ダメです。
花はたくさんついているので、綺麗なところだけ摘んでくださいね。もったいないから~と摘んでしまうと、後処理が大変です。
つい花摘みに夢中になって、枝についている花を全部綺麗に取りたくなってしまうんですけどね。
花を準備できない方は
- 花屋で切り花として入荷している場合があります。
近所の花屋に問い合わせてみましょう。 - JAなど、農産物取扱所で販売していることがあります。
品物も新鮮なことが多いです。
金木犀チンキの作り方
下準備が終わったら、あとは簡単!
早速、チンキを作ってみましょう!
チンキとは?
別名、ティンクチャ―。
ハーブなどの植物をアルコールに漬けて有効成分を抽出した濃縮液のことです。
ヨーロッパでは、古くから万能薬として親しまれています。
みなさんご存じのハーブティーは、植物の中の「水やお湯に溶けやすい成分」を抽出した飲み物です。
一方、チンキは、アルコールを使うので、「水に溶けやすい成分」だけでなく「油に溶けやすい成分」も一緒に抽出できます。
そのため、チンキはハーブティーより薬効の高い状態になるんですよ。
材料
- 金木犀の花
- アルコール(ウォッカ・ホワイトリカーなどのお酒 or 無水エタノール)
- 密閉容器(瓶など)
- アルミホイル(透明な瓶を利用する場合)
アルコールですが、お酒にするか無水エタノールにするか迷いますよね。
無水エタノールは、エタノールが99.5%以上と高いので、除菌スプレーや香水を作るのに適しています。
ウォッカなどのお酒を利用する場合は、風味付けとして飲み物に垂らすこともできます。
チンキを作った後の用途に合わせて選ぶといいと思います!
作り方
- 容器を消毒する
(アルコールで消毒 or 煮沸消毒) - 金木犀の花を密閉容器に入れる。
- 花が浸るくらいまでアルコールを注ぐ
*花がアルコールより上に出ないように注意します。
*アルコールは、花が浸るくらい~多くても倍くらいまでがオススメです。 - 容器の蓋をしっかり閉める
*透明な瓶を利用している場合は、瓶をアルミホイルで覆う。
*アルミホイルは遮光のためです。遮光瓶を利用する場合は不要です。 - 室内の冷暗所に置き、1~2か月程度寝かせる。
この間、成分が抽出されやすいよう、一日一回容器を振る。 - 1~2か月経ったら、茶こしやコーヒーフィルターで濾して完成!
- 濾した後の金木犀の花は、入浴剤として楽しんでくださいね。
だしパックなどに入れて、湯船に入れると良いです。
金木犀の甘い香りでリラックスできますよ。
保存期間
保存状態によりますが、1年程度で使い切るようにしましょう。
保存料を使っていないので早めに使い切るようにしましょう。
香水を作りたい場合は、2か月くらいしっかり寝かせたいところ。
でも、「2か月も待てないよ~!」というときは、1か月後くらいに一度香りを試してみてください。
香りが気に入れば、使っていただいても大丈夫です。
浸出油(インフューズドオイル)の作り方
次に、浸出油の作り方です。
チンキの作り方とほぼ同じですので、簡単ですよ!
浸出油とは
別名、インフューズドオイル。
ハーブなどの植物を植物油に漬けて有効成分を抽出した濃縮油のことです。
浸出油の作り方は、湯煎をして有効成分を浸出させる「温浸法」と、常温で数週間漬け込む「冷浸法」の2つがあります。
どちらの方法でも自然な金木犀の香りが楽しめます。
今回は、簡単に作れる「冷浸法」の作り方をお伝えしますね。
材料
- 金木犀の花
- 植物油(ホホバオイル、スイートアーモンド、オリーブオイルなど)
- 密閉容器(瓶など)
植物油はお好みのもので大丈夫です。
しかし、日光に当てるため、酸化しづらいものを使うと良いですよ。
今回は、ホホバオイルを使用しました。
作り方
- 容器を消毒する
(アルコールで消毒 or 煮沸消毒) - 金木犀の花を密閉容器に入れる。
- 花が浸るくらいまで植物油を注ぐ
*花が植物油より上に出ないように注意します。
*植物油は、花が浸るくらい~多くても倍くらいまでがオススメです。 - 容器の蓋をしっかり閉める。
- 室内の日が当たる場所に2~4週間程度寝かせる。
*この間、成分が抽出されやすいよう、一日一回容器を振る。
*日差しの強い夏は、2週間で十分に有効成分が抽出されます。日差しの弱い冬は、4週間くらいかけてゆっくり抽出すると良いです。
*気候に応じて調整してくださいね。 - 2〜3週間経ったら、茶こしやコーヒーフィルターで濾して完成!
- 濾した後の金木犀の花は、入浴剤として楽しんでくださいね。
だしパックなどに入れて、湯船に入れると良いです。
金木犀の甘い香りでリラックスできますよ。
日当たりの良い場所に置くのは、植物油を太陽光で温めて、植物の効能を最大限に引き出すためです。
ヨーロッパの伝統的な作り方は、新月から満月までの28日間、大量の光と月の光を浴びせるそうです。
太陽と月の両方からエネルギーを受け取って作るんですね!
保存期間
保存状態にもよりますが、3か月程度で使い切るようにしましょう。
浸出油は、植物を浸けたため、通常の植物油(何も手を加えていないもの)より、酸化しやすいです。
必ず冷暗所や冷蔵庫で保管しましょう。
まとめ
今回は、金木犀の花を使った「チンキ」「浸出油」の作り方をお伝えしました。
「チンキ」「冷浸出油」は、材料がアルコールか植物油かの違いだけで、作り方はほぼ同じ。
一度覚えると簡単ですので、ぜひ作ってみてくださいね。
次回は、出来上がった「チンキ」「浸出油」の活用法をお伝えします!
お楽しみに!
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*精油(エッセンシャルオイル)を使用する際の注意点*
- 精油は、医薬品ではありません。また、アロマセラピーは医療ではありません。掲載内容を基にアロマセラピーを実践される場合は、自己責任でお願いします。
- 体質などにより、アレルギーやトラブルが起こる場合があります。精油の濃度や禁忌事項に充分注意し、ご自身の体調や体質に合わせてご活用ください。お肌や心身に不調を感じる場合は、速やかに医師の判断を仰いでください。
- 妊娠中の方をはじめ、持病がある方、高齢者の方は使用できない精油があります、また、健康状態に気になることがある方や、医療機関で治療中の方は、必ず医師や専門家に相談の上、安全にお使いください。